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2016年2月5日(金)  ≪「シャープ」が外国企業に?≫

我が国の総合家電メーカーが苦境に立たされている。過去粉飾を繰り返してきた東芝が、今年の3月期の連結業績見通しを最終赤字7100億円に下方修正したことに加え、官民ファンドの産業革新機構から3000億円の出資の受け入を軸に検討していたシャープが、それを上回る7000億円を提示した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の採用に方針変更した。鴻海はスマホのトップメーカー米アップルの組み立てを受託しているが、液晶パネルなどの基幹部品は内作していないため、兼ねてより直接手掛ける事が悲願だったようだ。その点液晶に関しては高い技術を有しているシャープを傘下に収めるため高額出資も厭わない構えなのだ。

現在社名となった金属製繰出鉛筆(早川式繰り出し鉛筆)、所謂「シャープペンシル」の発明で知られる同社は、私が子供のころは早川電機と称し戦後台頭した松下電器産業(今のパナソニック)やソニーに比べ2流の電機メーカーだったと記憶している。それが、昭和30年代の後半から電子レンジ太陽電池の開発を手掛け、電卓部門でもカシオとシェアを2分するまでに成長したのである。その結果、電卓の表示機能である液晶技術で昭和40年代の後半から飛躍的に技術が向上し、ファクシミリパソコンコピー電子辞書に用いられ最後に行き着いたのが、『液晶テレビAQUOS』だった。(最新のAQUOSは女性の胸板よりはるかに薄い?)main_yo

特に、亀山工場で製作された「亀山モデル」は、NHKの「プロジェクトX」でも紹介されるほど一時期庶民の垂涎の的だった時代が有った。ところがここにきて次世代ディスプレーの開発とコストダウンで韓国中国台湾のメーカーの後塵を拝する羽目に陥ったのである。AQUOSの「亀山モデル」が珍重されたのは、つい10数年前で時代の移ろいの早さに驚愕する。しかしながら、未だ太陽光発電などに用いられる太陽電池部門では世界のトップメーカーの1社で、同社が台湾企業に列せられるのは日本人として忍び難い。それに、いかにグローバルでボーダレス時代とはいえ、技術の海外への流出は損失が大き過ぎる。私は、日本人として鴻海との交渉が暗礁に乗り上げる事を期待する。