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2015年5月22日(金)  ≪将棋イップス≫

ゴルフだけでなく、将棋にもイップス(Yips)が有るのをご存じだろうか?イップス とは、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害のことである。(ウキぺディア参照)本来は、ドライバーショットやパットなどへの悪影響を表すゴルフ用語である。1930年前後に活躍した名プレイヤーのトミー・アーマーが、イップスを患って引退した話は有名だ。しかし最近では、他のスポーツでも使われるようになってきたが、将棋を指すのに支障を来すイップスは余り前例がなかった。誰が将棋イップスかというと、日本将棋連盟の羽生善治名人である。この5月20、21日(水、木)に静岡県静岡市「浮月楼」で行われた第73期名人戦七番勝負第4局で羽生名人は、挑戦者の行方尚史八段にが勝ち3勝1敗とした。

多くの棋士には得意な戦法があり、それぞれに○○流」という呼び名が付けられる事があるが、羽生名人にはあまり冠される事がない。プロ棋士デビューからの数年間は圧倒的な終盤の寄せによる逆転勝ちが多く、「羽生マジック」と呼ばれたものだが、円熟味を増した最近では古今東西のありとあらゆる戦法を使いこなし、その全てで高い勝率を収めている。羽生名人は現在4冠だが嘗て7冠全部独占した時代が有った。彼がイップスを発症したが、その頃の2003年の第51期王座戦である。タイトル戦初登場で19歳の新鋭渡辺明五段の挑戦を受け3勝2敗で防衛したものの、最終の第5局の終盤で羽生の手が震えて駒をまともに持てなかったという。2014habu

その後、一手のミスも許されない終盤で羽生の手が震えることが度々見られるようになったが、ほとんどの場合羽生の勝利が決定的になった局面のため、将棋界では「手が震えるのは羽生が勝ちを確信した時」と言われている。羽生自身も2008年の第66期名人戦第3局・対森内俊之名人戦での大逆転劇の際の話として「このように指せば勝てると道筋が見えた時、手が震えるようになった」と語ったそうだ。羽生善治は、史上最強の棋士と言われている。それが証拠に、日本の将棋タイトルは前述の如く、7つ有るが10年間では70人のタイトルホルダーが誕生する勘定だが、その半分の延べ35人が羽生善治なのである。名人戦第5局は、5月28日、29日に福岡で行われる予定だが、終盤で羽生名人の手が震えるのを是非見てみたいものである。