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2019年2月22日(金)   ≪藤井朱明の絵皿≫

私が保有する唯一の美術品が、写真の藤井朱明作『極上白金彩桐白鳳紋』という有田焼の絵皿だ。大きさが直径2尺(約70cm)の大皿に御覧の通り見事な鳳凰が描かれた見事な絵皿である。今から20年近く前、以前隆盛を誇ったものの当時斜陽を迎えた或るお客様に、「君には随分お世話になったので、以前佐賀に行ったときに20万円で買ったこの絵皿を進呈しよう」と言われ遠慮なく拝領したものだ。残念ながらそのお客様は倒産してしまったが、風の便りによれば今もお元気でお過ごしの由、何よりである。

我が家の小宅の床の間にも飾れるのだが、ワイフが頑として私が焼いた皿が家には相応しいと譲らないので今日まで会社の倉庫に眠っていた。藤井朱明という陶芸家は、江戸時代に被官窯焼きとして名字帯刀を許されるなど代々陶芸に携わってきた家系に生まれ、15歳で絵付け見習いになったそうだ。20代には地元の陶磁器メーカーに勤務の傍ら日展出品に挑戦し、「寒流」という作品で初入選を果たした翌年の1962年(昭和37年)に絵付け職人として独立し、さらに10年を経て開窯したと聞く。

今回何時も気になっていたこの絵皿を持ち出してきたのは、そろそろ日の目を見させなければ作者や頂戴したお客様に申し訳ないと思ったからだ。しかしながら、近い将来セキュリティが行き届き冬暖かいマンションへの移住を考えている無粋な私にとって依然にも益してその存在が重くのしかかってきた。知人の中で、小料理屋さんでも開店しようと思われる方だ出てくれば、お祝いに差し上げようと思っているのだが、このご時世そのような奇特な御仁は見当たらない。かといってネットオークションに出すのも申し訳ないし、第一、作者は多作家らしく買値近くではとても捌けそうにないのである。

ブログをご覧の皆さまの中で、この作品を活かせる機会をお持ちの方に是非差し上げたいと思いますが、如何でしょうか?