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2019年2月21日(木) ≪朝食バイキングは、和食に限る?≫

三か月振りの投稿です。先週末、一泊どまりで新潟に出張した。起き抜けに食べた朝食は、お決まりの「バイキング料理」、所謂朝食バイキングである。宿泊者にとって和洋色んな食事が楽しめるし、ホテル側も1人1人の配膳の手間が省けて従業員が少なくて済むため夕食もこの形式を採用するホテルも増えてきた。私が会員権を持っている茨城県のゴルフ場も年に数度昼食をバイキング形式にして人気を博している。しかし、英語で言うとブッフェ方式(Buffet/All You Can Eat)言うべきところ、何故「バイキング」(Viking)と名付けられ、何時ごろから我が国で始められたのだろうか?

実はこの食事形式を始めて採用したのは、かの有名な帝国ホテルである。1957年、当時の帝国ホテル支配人の犬丸徹三が旅先のデンマークでスモーガスボード(smorgasbord;北欧の食ここの放題)を目にしたのがきっかけで、犬丸は「これはいける」と確信し、当時パリのリッツ・ホテルで研修中で後に帝国ホテルのコック長となる村上信夫に料理内容の研究を指示したのだそうだ。ネーミングとしては、「スモーガスボード」が日本人にとって非常に言いにくく馴染みが無いため、新たにホテル内にこの形式で出店するレストラン名を社内で公募した結果、『バイキングレストラン』と決まり1958年(昭和33年)にオープンしたと聞く。

理由は簡単で、当時帝国ホテルわきの日比谷映画劇場で上映されていた『バイキング』(1958年)という映画の中の豪快な食事シーンが印象的だったことから「北欧と言えばバイキング」ということから名づけられたと言う。私もカーク・ダグラス、トニー・カーティス。アーネスト・ボーグナイン、ジャネット・リーなど懐かしい俳優たちが主演したこの映画を覚えているが、子供ながらに「外国の海賊はよく食べるもんだな!」と驚いたことを憶えている。その後、全国各地のホテルが真似して広まったそうだ。

ところで、私もその一人だが、皆さんはホテルに泊まった翌朝、和食にしようか?洋食にしようか?と迷ったことはありませんか?前述のごとく、バイキングの醍醐味は色んな料理を楽しめるところに有りますが、ホテルで出される料理は圧倒的に和食の方が種類は多いと思う。お浸し、乾物の煮付け、煮物、明太子、甘味、ちりめん山椒、もずく酢、焼き魚、卵焼き、海苔、お新香、赤だしのお味噌汁にご飯やおかゆ、昔でいえば大名殿様や姫様でもこれだけの料理は、食べれなかったのではないかと推測する。

かつてインターネットやメールも無かった時代に出版社の多い神田・神保町が近い立地もあって川端康成、三島由紀夫、池波正太郎、伊集院静をはじめ、数多くの作家に愛され、定宿として利用されたことで「文人の宿』とも呼ばれた『山の上ホテル』は、今でも都会のど真ん中のお茶の水にひっそり?と佇んでいる。1936年(昭和11年)アール・デコ風で彼らに愛されたこのホテル、彼らが好んだ理由の一つがここの料理、それも朝食の出される和食である。池波正太郎曰く、「朝食は色んな料理を少しずつ沢山の種類を食べたい」との希望で、同ホテルがそれに応えた和食を用意したことで有名だ。(写真は山の上ホテルの朝食)

なるほど、≪朝食バイキングは、和食に限る≫所以である!