Category: 経済

去る8月18日、韓国の元大統領金大中氏が延世大学の付属病院で亡くなった。85歳だった。彼は日本の統治時代の教育を受けていたため日本語はペラペラだったそうで、何時も朝日新聞を読んでいたという。彼を日本で一躍有名にしたのは、1973年(S48年)8月に東京千代田区のホテルグランドパレス2212号室から韓国中央情報局(KCIA)によって拉致され、5日後にソウル市内の自宅前で発見された『金大中事件』だ。未だ決着していないこの事件を、私は今でもよく覚えている。

当時の政権下で死刑判決を受けた彼は、国民の信任と国際世論の後押しで恩赦を受け1998年に第15代の韓国大統領に就任した。そして断行したのが、①金融・②産業・③公企業・④労働市場の4大改革である。①は130兆円の公的資金投入による不良債権処理、②は企業の専門化、財務構造の改善を目指した「ビッグディール」と「ワークアウト」、③は公企業の改革と民営化、④は労働法を改正して整理解雇を可能にし、外国企業の誘致を目指したのだ。

その中で、現在最も成功したと言われているのが産業の「ビッグディール」(BIG DEAL分配)である。そのグランドデザインの典型的な例がLG電子で、サムスンに半導体売却を迫られ最初は強い難色を示したものの、この決断が白物家電でアジア最強の立場を確保したのである。韓国の二大電気メーカーが上手にすみ分けしたのに対し、我が国ではエアコンメーカーが9社、冷蔵庫は6社、携帯電話機は8社と人材や資金が分散したままだ。これでは韓国企業や台頭しつつある中国企業に勝てないのが道理である。

その他にも金氏が、日本の大衆文化を受け入れた功績は大きい。しかし、盧泰愚大統領も引き継いだ北朝鮮への『太陽政策』は日本人としては受け入れがたいし、失敗だったと私は断じたい。それにしても我が国の今回の総選挙でのマニュフェストで、これほど具体的な政策を掲げた政党が有るだろうか? Kim_Dae-Jung_2002.jpeg

             <日本統治時代、豊田大中といった彼は敬虔なカトリック教徒だった>

昨日の夕刊の一面に≪日経平均一時1万円回復!≫という記事が躍った。今年の3月10日に付けたバブル崩壊後の最安値7,054.98円から実に40%も上昇したのである。値上がりの要因としては、自動車、電気に代表される輸出関連株や非鉄金属メーカーや鉄鋼などの素材関連株が買われたことが挙げられている。又在庫調整も一巡し、為替の円高傾向も一服したのが追い風になっているようだ。

日経平均株価は皆さんご承知のとおり、「日経225」とも呼ばれ東京証券取引所第一部に上場する約1700銘柄の株式の内、各業種から選ばれた225銘柄の株価平均を修正した金額である。東証株価指数(TOPIX)と並んで、民間が作成する経済指標ながら、日本の経済動向を知るための重要な指標になっている。今日の9時42分現在の日経平均株価も10060.41円と昨日の終値+79.8円と引き続き好調のようである。

しからば、我々が関係する建設関連株はどうなっているのだろうか?〈今日の9時40分過ぎの株価〉

機械関連(メーカー)株 15社の内 ①小松製作所 1,603円 ②クボタ 728円 ③クボタ 728円    ④日立建機 1,793円  ⑤IHI 176円 ⑥住友重機工業 460円 ⑦千代田化工建設 822円

建設関連株 社の内 ①大成建設 236円 ②鹿島建設 298円 ③清水建設 412円 ④大林組448円 ⑤大和ハウス 929円 ⑥積水ハウス 942円

特にゼネコンは、相変わらずかなり平均株価を押し下げているようである。実は、私も若干の株式と投資信託を保有しているが、購入当時より大分下がっているため、今は塩漬け状態である。史上最高値の38,957.44円(1989年12月)は望むべきもないが、補正予算も通過し新たにも2兆3千億円の建設投資も実行されることから、せめて年内中に15,000円程度には戻して欲しいと思うのだが? 2009061211240000.JPG

               (日経平均1万円回復の記事を載せた昨日の日経新聞夕刊)

昨日、東京建設機械リース業協会第40回定期総会の開催に際し、早稲田大学教授の「榊原英輔氏」を招いて≪記念講演会≫を行った。私がアテンドし、司会も担当したのだが間近で見る彼はTVを通して見る感じと異なり、"普通のおじさん"であった。ところが、講演が始まるとTVで見る彼が再現され、持論をとうとうと述べるのであった。彼は、東大出身で、大蔵省(現財務省)に入省後ミシガン大学で博士号を取得し、1997年(H9年)には大蔵省財務官まで昇りつめ、その際米国と協調して為替介入を行った結果、『ミスター円』の愛称を頂くことになったのである。

話題は、米国を中心とした現在の「金融バブルの崩壊」とそれに伴う「消費バブルの崩壊」に終始したが、彼は民主党支持者であることから『政権交替』にも話が及んだ。要するに、概ね50年間続いた自民党政権にピリオードを打って、硬直したシステムを変えるべく『霞が関』をコントロールしなければならないと言うのである。思えば、彼は2003年の総選挙で民主党の「閣僚名簿」で、財務大臣として名を連ね話題となったことがあった。

講演後、私は彼に二つの質問をした。

一つは、果たして鳩山民主党が総選挙で勝ったら『霞が関』を変える事が出来るのか、そして貴方が民間人として入閣する可能性は?もう一つは、米国・ヨーロッパ・中国・インド・ロシア・日本の中で、どこの国或いはエリアの景気回復が早いのか順番をつけてみて下さい?というものである。

それに対し、即『変えなければ日本が没落する』という答えが返ってきた。そして当然の答えだと思うが、『政権の中枢に位置するかどうかは、自分で決めれることじゃないので判らない』であった。そして、もう一つの問いにたいしては、『意外とインドが早く、次いで中国・米国の順で、残念ながら日本が一番遅いだろう』というものであった。

そして懇親会の後、遅く帰宅して日経新聞の夕刊を開いてみると<GDPマイナス15.2%>と言う一面の記事が目に飛び込んで来た。(;一_一) 榊原.JPG

                         (熱弁をふるう榊原英輔氏)

昨日の参議院本会議で、「産業活力再生法」(産業再生法)が可決成立した。要するに、金融危機で一時的に業績不振に陥った企業を国がお金を出して信用補完し、再生を促すのが狙いである。その第一号として、経営再建中のAV機器の大手の「パイオニア」に300億円規模の資本支援が実施されそうである。私たちの世代では、「パイオニア」のステレオを持つのが夢で、リビングルームに鎮座した時は、友人を呼んで誇らしげにコーヒーを飲みながらクラシックを聞いたものである。

薄型TVで失敗した同社は、ホンダの支援も受けカーナビゲーションシステムなどの車載機器事業に特化していくようだが、今回の公的資金投入の可能性が高まった事に対して私は、次の二つの事を考えた。一つは、薄型TVの文字通りパイオニアであった同社も韓国、台湾、中国等の低賃金労働者に支えられて急追されたその分野で生き残れなかった事実だ。我々建設機械関連に携わる者として、深刻に受け止めて将来を見据える必要性を痛感した。何故なら、中国を中心に建設機械の生産が急増しており、将来的に日本製の建機の中古が売れなくなる可能製があるからだ。

今一つは、大企業で有れば経営者の失敗で経営不振に陥った時も国が助けてくれる?という事実だ。条件もいくつかあるようだが、従業員が5000人以上居る企業が破綻すると社会的な影響が大きいからという理由だそうだが、我々中小企業の経営者としては些か納得行かないものが残る。確かに、どの業界でも経済危機に陥った場合は、所帯が巨大なほどダメージが大きくなるというのが共通した見方である。地方の商店街がさびれて廃業していくような折柄、無能な経営者を擁する大企業を見放し、弱者を助ける「大岡越前守」的な政治を望むのは理不尽な事だろうか? つつじ.JPG

              (一昨日のTLGコンペ会場東京読売GCで撮った可憐な「つつじ」)

ジャッキー.jpg今、中国の上海で開催されている「モーター・ショウ」が大盛況らしい。富裕層の年収に相当する700~800万円クラスの"レクサス"が、最盛期には届かないまでも売れており、生産調整を行っていたトヨタの九州宮田工場が本格稼動し始めたようである。又、マンション工事も復活し、造れば売れるという状態に戻ってきたそうで、経済成長率も主だった国の中でプラス6%と群を抜いている。

中国は、2010年に「上海万博」を控えていて、中国政府は"是が非でも成功させなければ!"と考えている筈だ。それだけではないにせよ、今回の景気対策としての50兆円超の財政出動はどうしても必要だったのである。日本政府も中国を見習って速やかに、補正予算を前倒して実行しなければ世界に遅れてしまう危険性が、極めて高くなることを早く気付くべきだ。

ところで、つい数日前に香港のアクションスター「ジャッキー・チェン」が発言した事が、物議をかもしている。かれは、"中国人は、ある程度規制されるべきだ。そうしないと香港や台湾のようになってしまう"と言ったらしい。自由平等を否定するかのような、この発言は香港のマスコミや市民団体の槍玉に上げられているようである。

しかし、私も以前ある中国人から同じような事を聞いた経験がある。中国人は個人主義で自己顕示欲が相当強いので、なかなか纏まらないのだそうだ。だから、社会主義で縛るのだと!将来、中国は、アメリカを抜いて世界ナンバー1の大国になる可能性を秘めている。果たしてこれが事実としたら、世界一になるためには、中国人は、どう変わって行かなければならないのだろうか?