Category: 経済

日経新聞が纏めたところによると、2009年度の「主要商品(100品目)・サービスシェア調査」の内、12品目で首位が交代したらしい。景気の低迷で消費者心理が冷え込む中、価格対策や販売戦略を明確に打ち出し、購買意欲をかき立てた企業が勝利したようだ。ビール系飲料では、9年振りに「キリンビール」が微差で「アサヒビール」をかわし、カーナビでは「三洋電機」が「パイオニア」を追い越した。コピー機では、「リコー」が「キャノン」を押さえ、DVDソフトでは「エイベックス」が「ポニーキャ二オン」を、音楽ソフトでは逆に「ソニー・ミュージック」が「エイベックス」を、凌駕した模様である。

我々建設機械業界でも油圧ショベル部門(自重6t以上)で、中小型機を中心に販売攻勢をかけた「日立建機」が、「コマツ」(小松製作所)を抜いて29年ぶりに首位に立った。このニュースは我々にとって、1998年にアサヒビールが45年ぶりキリンビールを抜いて首位に返り咲いた時と同じくらいの衝撃的なニュースだ。コマツは、「キャタピラー社」に次ぐ建設機械では世界2位のシェアを誇るグローバル・カンパニーで2006年度、2007年度の優れた会社ランキングで、トヨタキャノンでを抜き1位となった企業だ。

如何に不景気で2009年度の油圧ショベルの販売台数が、前年度比マイナス49.6%の10,274台に落ち込んだとは言え、コマツのシェア自体がマイナス5.7%と低迷した事は何らかの要因が有るだろう。今我が国の建機レンタル業界は、農機具同様にショベルメーカーが参入し、混戦模様だ。コマツは「コマツレンタル」、日立建機は「日立建機レック」という、それぞれ全国に9ブロック売り上げ約450億円、8支店売り上げ約350億円の直系レンタル子会社を運営している。

御承知の通り、我が国の油圧ショベルは世界でもトップクラスのメーカーが犇めいており、特にコマツは中国・東南アジア・ヨーロッパ・アフリカを中心に抜群の知名度を誇り、総生産台数の7~80%は海外に依存していると言われている。従って、景気が低迷しているお膝元の日本国内を軽視したのではないだろうか?一方、コマツは昨年の4月に独立系の「BIG RENNTAL」を統合し、国内では油圧ショベルを中心にあらゆる機械のレンタルを積極的に展開してきた。シェアが4.4%アップした日立も一昨年の4月に、全国のレンタル子会社8社を統合して現在に至るが、両社にどんな政策の違いがあったのだろうか?

一つ言える事は、日立が同業者との軋轢を避け調和を重視した?のに比べ、コマツは斟酌せずにドラスティックに展開した結果、我々レンタルユーザーにそっぽを向かれたのである。日本の油圧ショベルの歴史は、半世紀になんなんとするが、前にも述べた通りその技術は世界の超一流クラスである。これは偏に、我々ユーザー共に日進月歩で築き上げて来たものである。そのマザーカンパニーであるメーカーが、子供たちを苛めたのでは、我々も乳離れをせざるを得ないのだ。

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                       <シェア首位が交代した12品目>

「タウンズ委員長、ありがとうございます。トヨタ自動車の豊田章男です。"I LOVE CAR,I LOVE TOYOTA"わたしは誰よりも車を愛し、誰よりもトヨタを愛しています。私は創業者の孫で、トヨタの車には全て私の名前が刻まれており、トヨタ車が傷つくことは私が傷つくことであります」、日本時間の本日未明に始まったアメリカ連邦議会の「公聴会」で、トヨタ自動車の豊田章男社長がこう切り出した。

アメリカの「公聴会」とは、連邦議会の常任委員会、その中の多数の小委員会、特別委員会が、重要法案や重要事項を審議する際に、利害関係者、有識者、行政部の担当者から意見を聞く会のことである。公開が原則で、証人の意見は以後の審議に際してかなり重要視され、証言内容は印刷して一般に配付されるそうだ。テレビ中継されるため、議員の顔がアップで映り有権者を意識した絶好のパフォーマンスの舞台となるため、「政治ショー」と呼ばれる事もあるようだ。

今年は特に、上院議員のうちの3分の1、下院議員全員が改選となる中間選挙を控えている為、この「公聴会」が絶好のアピールの場になる手筈だ。23日に公聴会を開いた下院エネルギー商業委員会の調査小委員会では、出身地域による議員の意見の違いが鮮明となった。トヨタの生産拠点が有るテキサス州テネシー州選出の議員たちが「我々は魔女狩りをすべきではない。トヨタが悪事を働き、隠蔽したと決めつけるべきでもない」「過剰なトヨタ批判は控えるべきだ」とけん制したのに対し、ビッグスリー(米3大自動車メーカー)の拠点が集中する中西部の民主党議員はトヨタ批判を先導した。

ミシガン州の議員が「これまでの対策ではトヨタ車所有者の不安を払拭(ふっしょく)できない」と批判したのに続き、イリノイ州の或る議員も「(暴走したトヨタ車は)殺人マシンとなった」とまでののしったのである。米議会のトヨタたたきの裏には、失業率が10%前後で高止まりしていらだつ米国民の腹いせも有るようだ。一方、トヨタは米国内で販売店も合わせると17万人以上も雇用しており、地元議員は擁護に懸命のようである。

我が国においても、景気をけん引してきた世界NO.1の自動車メーカーである"トヨタがこけたら皆こけた"という図式が予想されるため、この「公聴会」に対する関心は高い。しかしながら、「トヨタたたき」の過熱は、昨秋以降、急速に高まった米国民の不安や不満に敏感に対応してこなかったトヨタの不手際が最大の原因だろう。トヨタは奢りを捨て、大いに反省し再出発すべきである! 20100225-00000137-yom-bus_all-view-000.jpeg                          <読売新聞の資料>

我が大学の先輩でありOB会「南甲クラブ」のメンバーである御手洗富士夫(75歳)2代目「日本経済団体連合会」会長の後任に、住友化学会長の米倉弘昌氏(3月で73歳)が決定した。 ご承知の通り「日本経団連」は、2002年5月に経済団体連合会(経団連)と日本経営者団体連盟(日経連)が統合して発足した組織で、その会長は"財界総理"と呼ばれ唯一民間人で警察官の身辺警護がつく要職である。初代会長は、今リコール問題で揺れているトヨタの奥田碩氏だ。

この後任人事は、幾つかの疑問符が付いている。それは、①現職の副会長職にある者ではない(現評議員会議長)②出身母体である住友化学が(従前の会長輩出企業と比べて)小規模な会社である③過去「旧財閥系」から経団連の会長になった例はない(日経連は有る)等である。但し、金融担当大臣である亀井静香氏の東大時代の同級生で今でも親交が続いていると聞く。又、民主党政権への政権交代が、今回の人事に微妙に影響しているように思う。

昨年の中頃までは、後任候補には東芝の西田厚聡会長、パナソニックの中村邦夫会長らの名が挙がっていた。ところが、「日本経団連」が献金していた自民党が大敗し威信が低下すると同時に景気の「二番底」が懸念される為、彼らが本来の事業に専念する等、従来にスタンスを変更せざる得なくなったのだ。そこで、社長時代にサウジアラビアでの石油化学合弁事業を立ち上げた経験などから、海外に幅広い人脈を持ち、日米欧の化学業界団体である国際化学工業協会協議会(ICCA)で地球温暖化問題のグループリーダーを務めている米倉弘昌氏に白羽の矢立った模様だ。

ご覧の通り、彼は≪ベビー(ファニー¿)フェイス≫で誰にも親しまれるタイプだと思う。恐らく普通に行けば2期4年間務めることになるだろうが、ソフトタイプの"財界総理"として窮地に立たされている日本企業に、是非共元気を吹き込んで貰いたいものである。

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                    <「日本経団連」の次期会長米倉弘昌氏>

平成23年4月の経営統合を目指してキリンホールディングスサントリーホールディングス間で、昨年の7月から進められていた統合交渉が決裂した。両社による統合交渉が開始されるというニュースは、戦後最大の合併話として経済界に激震が走った。結局、財閥系と創業者グループが厳然と力を有するビッグな両社は、仲良しにはなれなかったのである。『大山鳴動してネズミ一匹』と言ってしまえば語弊が有るだろうが、サントリー側の二つの要求をキリン側としては、飲めなかったという事らしい。

即ち、サントリーが統合新会社の発行済み株式の3分の1超を同社の創業家一族が握ることを「絶対条件」とした事とキリンの医薬品事業「協和発酵キリン」の統合後数年以内に売却するよう求めた事である。大袈裟かもしれないが、恐らく三菱グループの一部からは、サントリーの創業者鳥井一族の「キリン乗っ取り工作」との意見も出たのではないだろうか?又、サントリー側すれば事前にキリン側からは了解を得ていたという主張らしい。折しも昨年のビール系飲料(ビール・発泡酒・新ジャンル)のシェアが、微差ながらアサヒを抜いて9年ぶりにトップに返り咲いたし、サントリーも最高益を計上したため互いに早急な統合の必要性を欠いたのだ。

前にも書いたと思うが、三菱グループには創業者である「岩崎家」の影が無いのに対して、サントリーは株主として「鳥井一族」が今も君臨しているらしい。グローバル化を目指した両社の縁談?は土台無理だったのかもしれない。そう言えば、経営再建中の日本航空も稲盛さんの判断でデルタ航空との提携話を白紙に戻したそうだ。企業文化が異なる会社同士のM&Aは、難しいものだとつくづく思い知らされたニュースである。 201617_c185.jpeg

                    <(左)キリンの加藤社長と(右)佐治社長>

中国が日本の数字を抜くのを≪ジャパンクロス≫と言うそうだ。例えば携帯電話の普及台数は、とっくに抜かれているし、早晩GDPも日本を抜いて世界第二位になるのは間違いない。勿論、人口が日本の10倍以上居るのだから当たり前なのかもしれないが。今朝の日経新聞の一面に"中国での販売 日本を抜く"という見出しが躍り、日産の今年1月から7月までの販売台数が日本国内の販売台数を抜いた事と、同じく4月から6月までのコマツのバックホーの販売台数が国内の販売台数を上回った事を報じている。

来年は上海で、万博が行われる予定だが去年の秋に私が同地を訪れた際には、予定地では何の工事も行われていなかった。この国では、昨年の北京オリンピック同様やり始めたら国をあげて同じ方向に向かうようで、準備不足を日本人的な発想で心配することは杞憂のようだ。記事では、今年の日産の中国での販売台数が、日中逆転し米国に次ぐ世界第二位の販売先になると続けている。又、中国の販売台数が日本の2分の1にとどまるトヨタも中国事業のテコ入れを進めているそうだ。

一方、建機でもコマツの4月から6月の中国売上高比率が20%となり、18%の日本を抜いて四半期べースで初めて日中が逆転し、通年でも世界一になるのは「時間の問題」だそうだ。正に≪どこまで伸びる中国?≫だが、この記事は奇しくも中国経済の好調さと我が国経済の不振を浮き彫りにしたもので、低迷する我が国経済の早期回復が望まれる。民主党のマニュフェストでは、各家庭の家計を手厚くする事で、需要を喚起し景気回復を目指すとなっているようだが、それだけでは実質二桁に迫りつつある失業率を改善する事は不可能だ。

我々の世代では、子育て支援や高速道路の無料化も直接的なメリットは殆どない。鳩山次期首相は、派手なネクタイやシャツを着るのもいいが、国内では公平な政治を標榜し、国際舞台では「アジアの盟主」として堂々と日本の主張を展開する事が肝要である。

sinnbunn.jpg<今朝の日経新聞の一面>